2023年9月13日(水)~16日(土)

 友人の商社マンのBさんが2023年4月にロンドンに赴任した。Bさんの送別会を3月に六本木の寿司屋でやった時、
「稲田さん、ロンドンへ遊びに来てください」
とBさんが言ったのがきっかけだった。その席に同席していた同僚のKさんが、「Bさん、稲田さんにはリップサービスは通用しないよ」とニヤッと笑った。Kさんは、その昔、パナマに駐在していた。Kさんが一時帰国していた時に、私は彼に会った。Kさんは、今回と同じように、「稲田さん、3月頃、パナマに遊びに来てください(後に、Kさん本人に確認した際、この言葉は、よくある儀礼上のリップサービスだと分かった)」と言ったのだった。
 3月になり、私も、礼儀上、一応、Kさんに連絡しないと悪いなと思い、軽い気持ちでパナマのKさんに連絡したところ、「待っています」・・・ってことになり、パナマに行ったのだった。
 
 Kさんはその時の話をしたのだ。

 そんな訳で9月13日から2週間かけてイギリスに行った。今回から4回に分けてイギリス紀行と題し、旅での出来事を日記ふうに記しておくことにする。

9月13日(水)
 羽田発9:50発のANA便に乗りロンドンに向かった。現地時間、13日16時20分にロンドンヒースロー空港に着く。到着ロビーで自分のスマホにSIMカードを購入しセットしてもらおうとしたが、機種が古いのかOSが古いのか2箇所で確認したが入らなかった。
 <今回の旅でスマホが使えないと動きがとれないってことをこの時にはわかっていなかった>
 タクシーでRussell Square近くのTavistockホテルへ向かう。高速道路を抜け、何がイギリスらしいのかは良くはわからないのだが、とにかく、イギリスらしい住宅街や公園の横を抜け、やがて、街の中心部に入った。
 ―運ちゃん、わざと混んでいる中心部を通っているのかな?―
 などと思っていると、ピカデリーサーカスを通過した。ホテルはピカデリーサーカスに近い。しばらくしてホテルに着いた。フロントでホテル・ドットコムの予約表を提示しチェックインした。部屋は日本のビジネスホテルのようだった。ロンドンはアメリカなどと比べて、土地が狭いので、部屋も日本並みに狭いのだと妙に納得した。
 荷物を整理し、近くのイタリアンに入ろうとしたが混んでいたので、道の反対側のTASTE OF CHONGQINGという中華に入り、ビールとチャーハンを注文した。帰りに店の隣のスーパ-で水など購入する。

9月14日(木)
 朝、ホテルから歩いて3分の地下鉄Russell Squaree駅からEuston駅に向かった(後でバスだと3つ目だと判明)。ロンドンの地下鉄は世界で一番古いとのことなので興味があったからだ。
 日本のSuicaにあたる地下鉄・バス共通のOysterカードを購入しようと販売機の前で案内を読んでいたら係員らしき人が近づいてきて、買い方、使い方を教えてもらう。 Piccadilly線でKings Cross駅に行き、Northern Lineに乗り換えEuston駅に着いた。Euston駅で17日からの湖水地方Windermere行の列車チケットを購入した。その後に、地下鉄Northern Line 線でTottenham Court Road駅に向かった。ソーホー地区を散策するためだ。街は、インド系、アラブ系の人間が多くアングロサクソン系は少ない、まさに、「人種のるつぼ」だった。お昼にヘンリー3世に時に建てられた古いビルの2Fのレストラン Great British Pub Foodでハンバーガーとコーラを注文した。丁度、ランチタイムだったので、おばさんたちのグループがいたが、ペチャクチャとかなりの声でしゃべっていて「かしましい」、日本もこちらも女性グループは同じだとみえて、妙に納得した気分になった。
 その後、近くを歩き、ピカデリーサーカスへ、カフェ Grand by Concertoでお茶、この店は、偶然にも、J.F.ケネディが来たことがあるカフェだった。地下鉄Piccadary 線でRussell Squareに戻りホテルに帰った。ホテルの近くのThe London Pubに入り、フィッシュ&チップスとビールで夕食。
 
     
(Great British Pub Foodの古いビル)   (ピカデリーサーカス)
 
9月15日(金)
 午前、テムズ川クルーズの発着場のあるWestminster Stationに、地下鉄Piccadary線 とJubilee線で行く。テムズ川クルーズ往復チケットを18ポンドで購入、クルーズ船に乗船、観光客はそれほど多くなく、天気も良く快適なクルーズだ。ただ、乗船するときに、中国人と思われる夫婦が、客がほとんどいないのに、ダッシュで観光船の一番前の席に突進した姿がなぜか滑稽な気がした。ロンドン橋近くの船着き場で下船、近くのThe Banker EC4でカフェ、カフェの前のお土産に入り、ロンドン塔が描かれたマグネットを買った。午後は、Westminster寺院を見学しホテルに戻る。  

     
(クルーズ船から見たビッグ・ベン)   (クルーズ船から見たロンドン橋)
 
 18時に宿泊先のホテルのロビーでBさんと待ち合せ食事に行く。店は、ハイドパークの近くのフィッシュレストランで、生牡蠣、ムール貝、舌平目、フィッシュ&ポテトをポルトガルの白ワインで食べる。美味しかったが、店のボーイが「早く食べろ」と上から目線の感じで「チラチラ」こちらを見ていたのが気になった。この時に、Bさんが連絡用のスマホを貸してくれた。
 <このスマホが、後々、今回の旅の重要な役割、まさに、命綱になったのだ>
 Bさんから近況&駐在員の苦労話などを聞き、もう一度、時間があれば会いましょうと言って別れた。最後はホテルまで送ってもらった。
Bさんはタクシー料金をスマホの画面をタッチして支払っていた。聞けば、日本のクレジットカードでも「電波マーク(リップルマーク)」があればタッチでokだそうで、まさに、キャッシュレス時代を見た気がした。

9月16日(土)
 午前10時オープンの大英博物館に行くが、長蛇の列で急遽予定を変更、バスでハロッズへ行くことにした。スマホで調べたRussell Square横のバス停でバスを待っていたら、なんと、乗ろうとしていた2階建ての公共バスは通過してしまった。待っていたアルゼンチン人の観光客も「オーノー」って感じだったので、話かけたら、彼等も観光客で、ピカデリーサーカスに行くとの事だった、10分ほど待っていたらまたバスが来た。今度は、全員が大きく手を振り、やっとの事でバスにのれた。
 アルゼンチン人は、一昨日のお昼に、ヘンリー3世に時に建てられた古いビルのレストラン近くのバス停で下車、僕は、ハロッズの前のバス停で降り、クッキーなどの土産物を購入した。イギリスにはトイレがないとのことだったので、ハロッズ内のトイレを探したが、なかなか見つからない。ようやく、探し当てたが、トイレはどう見ても分かりにくい場所にある。どうも、トイレ目当ての客を少しでも減らそうと、わざわざ、トイレの位置を分かりにくくしているらしいと思った。のちに行ったフォートナム&メイソンでも同じだったので、案外、この考えはあっているかもな。。
 ランチはハロッズ近くのパブでハンバーガーとビール、バイトの男の子が日本人らしく彼から声をかけられる。彼は、青山学院の学生でロンドン大学に交換留学生として1年間いるらしい。好感をもてる学生で、日本人の若者は、案外、年寄りどもよりもしっかりしているのかもしれないと強く感じた。帰りもハロッズ前からのバスに乗ったが、イラン女性の権利主張のデモに遭遇し、バスはStopしてしまい、ピカデリーの2つ前の停留所で降ろされてしまい、歩いてピカデリーに向かった。ピカデリーに着くと、3方向からピカデリーに向かってデモをやっているらしく、最後は、ピカデリーで終結し、気勢を上げるらしい。近くのシアターでミュージカルのチケットを買おうとしたが、良い出し物がなかったのでやめる。

 
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