2023年9月22日(金)

 9月22日(金)
 朝、早起きして、パディントン駅に行き、案内版をみるとモートン・イン・マーシュ行の列車は動いていたので、9:52発のモートン・イン・マーシュまでの往復チケットを購入した。急いでホテルに戻り荷物をまとめ早めに駅に向かった、荷物と言っても大きめなトランクは、昨日、駅に預けたので楽な移動だった。9:52発の列車が予定通りに出発するかの不安だったので、駅で案内板を確認すると、9:52発Hereford行の案内が出ていたのでホットした。暫くまっているとプラットホーム3と出ていたので、急いでポテトと鶏肉入りのパイを買い列車に乗り込んだ。
 オックスフォード駅を過ぎて、しばらくすると、窓の外は牧草&羊、そして、まばらな石造りの家が定期的に過ぎて行き、1時間40分ほどでモートン・イン・マーシュ駅に着いた。日本で言えば東京から静岡の時間感覚だ。駅の掲示板で荷物預け所を確認し、荷物を預けたが、この荷物預け所も駅からやや遠く何かと不便だった。荷物預け所の隣にあったCoop(スーパー)の中のカフェに入り本日の計画を立てた。
 
 まずは、モートン・イン・マーシュの中心部を散策した。街並みのしっとりとしたイギリスの田舎まちだった。午後になると雨が降ってきたので、急いで、インフォメーションセンターへと向かった。センターでタクシーを頼んでもらいチッピングカムデンへ向かった。チッピングカムデンは14世紀から17世紀に建てられた建物が保存されている町で、コッツウォルズの拠点の町だったからだ、タクシーのドライバーが、チッピングカムデンの後はどこへ行くのかと聞いてきたから、「Broadwayに行き泊まる予定だ、カムデンの街を1から2時間みたい」と答えたら、ドライバーは「15時にカムデンをでるならBroadwayまで行ってやる」と言う「15時までだと30分しかないから、最低1時間は町を歩きたいので、まずは、カムデンのインフォメーションセンターまで行ってくれ」と言って、ドライバーの提案を断った。タクシーが通過したカムデンの街並みは、まさに、イギリスの蜂蜜色の昔の石造りの町だった。
 
   
  (チッピングカムデンの街並み)   
 
 昔の建物が残るカムデンの中心部で降ろしてもらい、1627年に建てられた古いマーケットホールを見て、ハイストリートと呼ばれるメインストリートをブラツキつきながら、インフォメーションセンターに行った。ところが、インフォメーションセンターのドアには14時でクローズと書いてある、まだ、15時前なのに、おまけに金曜日なのに閉まっているとは???ここでも、鉄道、ホテルと同様に、観光客を含めた他人に優しくない。イギリスって国は、自分たちの都合を優先する社会なのかと考えた時に、何となくイギリスの個人主義が分かったような気がした。他人よりも自分が大事で、皆がそのように考えていれば、その社会は決して他人に不親切ではないことになり、その社会の仕組みを理解すればば、自分の事は自分で対応しろって感じになるような気がした。
 
 インフォメーションセンターがクローズなので、まずは、Broadwayまでのタクシーを探さなければならない、そのためには、タクシー会社への連絡先を入手しなければならないと考え、ハイストリートにあるThe Red Lionというホテルのパブに入った。雨のせいか、体が少し冷えたので熱いスープを頼み、体を温めた。次にコーヒーを注文し、店の女の人にタクシーの電話番号を教えてもらった。教えてもらった3か所、3人に電話したが、1人、現在カムデンにはいない、2人目、午後、仕事は休み、3人目、3時間後なら可能との答え、要するにBroadwayまで行ってくれるタクシーはないのだ。他にタクシーはないのかと店の女の人に聞くが、ないとの事。
 
  (The Red Lionというホテルのパブ外観・パブで飲んだコーヒー)   
 
 これじゃやってられないヨ!このままだと予約しているBroadwayのホテルに行けないヨ!店の女の子に他にBroadwayに行く方法はないのかと聞くとバスがあるとのこと、バス停は?と聞くと、マーケットホールの近くにバス停と時刻表があるとのことだった。
 「助かった」と思い、バス停と時刻表を探しにでたが、どこにあるのかよくわからない、さて、どうしようかと周りを見まわしたら、偶然、近くに、初老の老人がいたので聞いたところ、17:50にBroadwayに行くバスがあるとの事、この老人もバスに乗るらしい、2人してバス停と思われるところのガラスの棚の中に貼ってあった時刻表と思われるA4の紙を見つけた、時刻表らしい。初老の老人も眼鏡を出して確認、僕も目を凝らして確認した。

(バスの時刻表)   
 
 確かに17:50 City Hall、18:10 Broadway The Lygon Armsと書いてある。これが時刻表か?それにしても小さすぎる、これでは、すぐに見つからないわけだ。時刻表が貼ってあるから問題ないってことなのか?僕は笑ってしまった。鉄道、ホテル、インフォメーションセンターと、構造は同じ、他人に優しくない、
 The Red Lionに戻り、まだ、1時間ほどあるので地ビールと持ち帰り用にハンバガーを頼んだ。すると隣に座っていたイギリス人のグループが「どこからきたのか?」と聞いてきた。「日本だ」と答えたら、急に先日行われたラグビーワールドカップのイングランドと日本戦の話になった。「イングランドは強かった」と僕が言ったら、イギリス人も「日本もよく頑張った」とにこやかに笑い、「自分は野村カンパニー」で働いていたと言った。面白くなってきたなと思ったが、そろそろバスの時刻なので、「タクシーでBroadwayに行こうとしたが、タクシーがないので、これからバスで行く」と言ったら、「タクシーは高いからよい選択だ」と言われて、「そんなものかって」気持ちになった。
 勘定を払うときに、店の女の子に礼を言い、かなりのチップを渡した。女の子は「こんなに・・・・」って驚いた表情をしたが、「No problem、you are very kind」と告げたら、嬉しそうな顔をした。その笑顔はとても綺麗だった。
 
 17:40にバス停に行くと、先ほどのおじいさんもパンを抱えてきていた。バスも予定通りに到着、一緒にバスに乗った。broadwayの前の町で降りるおじいさんにしっかりとお礼を言って別れた。バスは田園地帯を走り、しばらくして、broadwayに着いた。Bさんが貸してくれたスマホの地図を頼りにホテルThe Lodge at Broadwayに向かった。運が良いことにホテルはバス停の後ろだったのだが・・・・
 ホテルのドアには鍵がかかり誰もいないのだ。ドアを叩くが返事はない。隣に花屋さんがあったので、店に入り予約表をみせ、店の女性に状況を説明する。彼女は親切にもホテルのドアに一緒にきてくれ、ドアに貼ってあった番号を見て、僕(Bさんから借りた)のスマホから電話をしてくれた。暫くホテルの人と話をしてドアを開けるピンコードを聞いてくれて、ようやく中に入ることができた。部屋は良かった。
 その夜は、The Red Lionでtake awayしたハンバガー食べた。雨にうたれ、少し熱っぽかったので、昨日、パディントン駅のBootsで買った風邪薬LEMSIPを飲んで早めに寝た。 
 
 
 
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